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「第26回平和・人権・環境を考える集い」を開催しました
2025年6月7日に神戸市内で、自治労兵庫県本部第26回平和・人権・環境を考える集いを開催しました。
この集いは、毎年6月の第1週目に「平和」「人権」「環境」の中からテーマを決めて開催しています。今年のテーマは「平和」でした。
今年は第27代高校生平和大使兵庫県選出の細谷美優花さん、特定非営利活動法人サンタピアップ代表の古川沙樹さんをお招きして講演いただきました。
細谷さんからは、高校生平和大使としての1年間の報告として、国内でのとりくみや海外で行った活動、それらを通して学んだことや感想などを講演いただきました。
古川さんからは、ご自身のご紹介とカンボジアとの出会い、そして活動の拠点であるカンボジア・ポイペト(タイとの国境)の街についてお話しいただきました。
以下それぞれの講演の概要です

講演①「高校生平和大使としての自分」
第27代高校生平和大使兵庫県選出 細谷 美優花さん
高校生平和大使の長崎研修で、長崎への原爆投下時刻である8月9日、午前11時2分に長崎市内には毎年サイレンが鳴り響くことを知りました。このサイレンを合図に、市内では、原爆投下時刻を想い、原爆犠牲者の冥福を祈り平和を祈念し黙とうを捧げます。8月9日のこのサイレンは長崎市にとってとても重いものです。
核兵器廃絶への取り組みでは、被爆者の気持ちに寄り添うことが大切です。被団協がノーベル平和賞を受賞したことは、核兵器廃絶の取り組みを世界に示し、長年にわたる活動が確かな力となり大きな成果をあげたことがわかる出来事でした。
「微力であっても無力ではない」高校生平和大使の1年間の活動を通して、続ければ必ず成果があると思えるようになりました。
細谷さんの講演の後、今年度の第28代高校生平和大使兵庫選出の原野蓉子さんと、第28代高校生平和大使兵庫活動メンバーの玉置悠人さんよりあいさつがありました。
参加した県本部平和人権環境委員から「今回の講演を通して、労働組合の活動や様々な取り組みで、私たちはすぐに結果を求めたくなりますが、続けていくことの必要性や大切さをあらためてめて学びました。高校生平和大使の3人が自分の意見、思いをしっかりと自分の言葉で語る姿に感動し、自分自身も勉強になる講演会でした」と感想が寄せられました。
高校生平和大使・兵庫の公式インスタグラムもあります。興味ある方はぜひ見てみて下さい。https://www.instagram.com/hyogo_youth_peace_messengers/

講演②「輝く笑顔とともに」
特定非営利活動法人サンタピアップ代表 古川 沙樹さん
◆カンボジア『国境での出会い』から始まった支援の歩み
カンボジア・ポイペトの地を初めて訪れたのは2003年。NGOのスタディーツアーに参加したことがきっかけでした。その時の国境にいた少女との出会いやカンボジアの人々との出会いを通じ、貧しさの中にも心豊かに暮らす人々との出会いが大きな転機となり、その後も何度も現地を訪問する中で「何か恩返しがしたい」と強く感じるようになりました。その後、当時NGOの施設で共同生活をしていた孤児たちが作っていたミサンガ(ブレスレット)を日本に持ち帰り、販売する活動をスタートしました。この小さな取り組みが、現在の「サンタピアップ」の礎となりました。
◆サンタピアップとは?
サンタピアップは、カンボジアと日本の両国に拠点を持ち、貧困や教育格差と向き合う子どもたちや村の人々の自立を支援するNPO法人です。特に、カンボジア・タイ国境に位置するポイペト郊外の村での活動を中心に展開しています。援助の方法は、ただ物資を提供するのではなく、「自らの力で生きる力を育てること」をめざしています。
◆「学校をやめない」仕組みづくり
カンボジアでは、生活のために子どもが学校を中退しなければならない状況が珍しくありません。そこでサンタピアップでは、子どもたちや保護者と「学校をやめないこと」を約束し、空き時間に子どもたち自身がアクセサリーを制作。その収入を生活費にあてることで、学びを継続できる仕組みを築いています。
◆大切にしているのは「人とのつながり」
「自分の幸せとカンボジアの人の幸せは違う」ということです。文化や価値観が異なる中で、「日本人が考える幸せ」を一方的に押しつけるのではなく、現地の声に耳を傾け、対話を通じて互いに学び合う関係こそが、サンタピアップの目指す支援のかたちです。
◆感謝とこれから
長く活動を続ける秘訣は「自分がすることは、うまくいかなくて当然」と前向きに割り切る気持ちです。これからもこの豊かな出会いを大切にし、多くの人たちとつながりながら彼らが色んな選択ができるよう応援を続けていきたいです。
県本部平和人権環境委員からは「今回の講演を通じて、『与えるだけではない支援のかたち』『対等な関係を築くことの大切さ』を学びました」と感想がありました。多くの参加者が「支援とは何か」「自立とは何か」について考えるきっかけとなったようです。
サンタピアップインスタhttps://www.instagram.com/santapiup/?hl=ja
