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がんばれ! 組織内議員 山口みさえ議員
自治労県本部組織内
山口みさえ 議員
【プロフィール】
- 1981年 市立芦屋高校を卒業、芦屋市留守家庭児童会の指導員になる
- 1989年 嘱託職員として働き続けるなかで、自治労芦屋市留守家庭児童会指導員労働組合を結成。書記長として労働条件向上に力を尽くす
地域では部落解放運動に身をおき、差別をなくすために部落解放同盟芦屋支部副支部長として奮闘 - 1999年 芦屋市議会議員初当選
- 2015年 5期目に挑戦し次点で惜敗
- 2015年 10月から自治労阪神淡路ブロック書記をしながら再選をめざす
- 2018年 10月自治労阪神淡路ブロック書記を解任、選挙活動に専念する
- 2019年 4月芦屋市議会選挙において再選を勝ち取る 2023年4月 6期目に挑戦し、再選
まずは、なぜ議員になろうと思ったのですか。
初めて市会議員選挙に出ようと思ったのは、差別や格差にずっとこだわり、地域で解放運動をやってきて、そのことを職場・現場から訴えることもずっとしてきましたが、なかなか変わっていかないなかで、みんなの代表として市会議員になってほしいというお話をいただき、議員の立候補を引き受けたような次第です。
どのような思いで芦屋指導員労組を作りましたか。
労働組合を作ったきっかけとなったのは、私たち非正規の条件がすごく悪かったことに対して、担当課に改善して欲しいと言った時に「嫌だったら辞めたらいい」っていうことを言われました。それがみんな、すごく引っかかっていました。
そして女性だけで、組合を作ることにも、不安はありましたが、やっぱり自分たちが一生懸命、頑張ってきたのに、「嫌だったら辞めろ」って何なんだろうと。「自分達はそんな扱いなんだ」ということで、みんな共通認識を持ち取り組んできました。
その怒りで市会議員になって、自治体行政全体を見てどうですか。
最初の頃は、正規職員のことをあんまり考えていなかったのですが、活動をはじめて25年ほど経ち、様々な角度から状況を見ると、正規職員もすごく追い込まれていて、大変な労働の状況だと思います。
職場自体、正規職員も必死で、会計年度任用職員のことまで考える余裕がなく、少しだけ勤務時間が短い会計年度任用職員も仕事は自分が中心でこなしているので、正規・非正規が仲良く仕事ができない状況となっています。
また、芦屋市は外注が多く、窓口業務や業者選定、エレベーターの点検など、何から何までが対象となっています。そして、大きい事業でも正規職員が補助金に合わせて計画を立て、それ以外の細々したものはすべて外注での対応となっています。計画を立てるだけでは正規職員の「やる気、やりがい」を損なっていると思いますし、今、本当に正規職員も危ないというふうに凄く感じており、正規職員・非正規職員が手を取り合って一緒にやっていこうとなっていないことが私は問題だと感じています。
今の労働組合について課題など感じていることを教えてください。
労働組合はやはり「現場実態から怒りを」っていうことですけれども、みんなで力を合わせて、頑張っていこうと取り組んできました。最初に組合を作った当時の人は、毎回交渉をするたびに、何か1つは取れる、絶対取れるみたいな経験してきました。今、組合に入ってきた人とは感じ方が違います。せっかく取ってきたものを取られても、今は「それでいいんじゃない」みたいなことになる。そこに温度差がありますね。
35年前に組合を作りましたが、その当時の組合員は、もう1人、2人となってきています。新しい人がどんどん増えていっているから、始めに話した「嫌だったら辞めたらいい」って言われて組合を作った原点をどうやって引き継いでいくのかが難しく思っています。もし、みんなが怒ってないのに、一部の経験のある者が「怒らなければいけないじゃないの」ではダメだと思います。みんなでよく話をして、自分たちの権利を追求し、守っていくのが労働組合だと思っています。
そもそも山口さんの原動力は何でしょうか。
自治労や解放同盟のみんなの代表として、日々の活動ができていると感じていることです。例えば集会に行った時には、私と同じようにおかしいと言ってくれる多くの仲間がいる。そのことが議員となった今でも、1人で反対した時に周りから何を言われても、私はおかしくないと言える。それを言えることは本当に自治労とや解放同盟の仲間に恵まれているからだと感じています。
また、食べることも原動力で、ごはん2杯は食べますね。大きなお茶碗で。炭水化物が大好きなんです(笑)
最後に今ハマっていることはありますか
あの、一番ハマっているのは手話です。 今、入門編が終わって基礎編をやっています。手話を始めたきっかけは、地域に聴覚障害の方が引っ越してこられたのですが、その時に、ちゃんとご挨拶できなかったことです。別に、すごい手話を抜群にやりたいわけじゃなくって、コミュニケーションの一つとして不自由な方たちに「元気にしている?困っていることない?」みたいなことが、普通に会話ができる、そういう手話を私は習いたいです。手話通訳ができる方たちがやってるのは、全然ついていけるレベルじゃないんですが、コミュニケーションが取れたことがうれしく思います。
また、ちょっと自慢じゃないんですが、議会の決算の時に、手話の聴覚障害の方から必要なことを聞き取って、それを施策に反映してほしいって言えたことも良かったと思います。また、市役所職員が、月に1回30分、手話の研修ができるようになりました。手話の研修をちゃんとやってるっていうことで、1つの啓発になるから、それを館内放送もお願いし、すぐに放送をかけてくれるようにもなったことも嬉しくハマって良かったと思っています。
今後の自治労組織内議員をどう考えていますか
私、元気ハツラツのように見えますが、60歳ですからね。足が痛かったり、腰が痛かったりします。だから、この思いでやってきたのをどんなふうにしたら繋げていけるのか、一緒に考え、悩んで、提案してほしいです。
※ 今回の取材を通じて働くものの気持ち、弱い立場の気持ちになって真っすぐ進んでいるこの元気な山口さんみたいな組織内議員をもっと増やしたいと思いました。